最新型のセレナはC28セレナですが、先々代のC26セレナもまだまだ中古車市場では人気のようです。
ミニバンの購入を検討している方にとって、性能も良く、価格もこなれたセレナC26は魅力的な選択肢だと思います。
しかしながら、セレナC26にはオルタネーターやCVTの不具合など故障が多いことが知られています。
また、加速不良など、その他いくつかの欠点についても懸念されているようです。
ここでは、セレナC26の主な欠点について説明したうえで、を中古車として購入する前に注意すべきポイントについても解説していきましょう。
- セレナC26欠点
- セレナC26の故障やリコール
- 故障しやすく高価なパーツ
- 購入前に確認すべき内容
目次
セレナ C26の欠点とは?
- オルタネーターの故障
- 加速不良・もたつき・吹けない
- 走行安定性と乗り心地の悪さ
- 燃費の悪さ
- シート設計の悪さ
- その他の故障(CVTやラジエター)
オルタネーターの故障
セレナC26の最も重要な弱点は、オルタネーター(ジェネレーター)の故障です。
オルタネーターは車のエンジンや電装品、その他の機能を動かす電気を発生するという重要な役割を担うため、故障が発生すると走行できないなど、深刻な影響が生じます。
早急な修理が必要なのですが、オルタネーターというのは高価なパーツ゚で、セレナC26の場合は、構造上部品が特に高く、通常よりかなり高額の費用がかかることになります。
壊れる予兆と異音に注意
オルタネーターが本格的に故障する前に、異音が発生することもあります。
私も経験がありますが、具体的には、「ガラガラ」「コーコー」などという明らかな異音が発生するのです。
私の場合はベアリングの摩耗でしたが、放置するとオルタネーターが機能しなくなります。
こうした異音が出ている中古車を購入すると、後で高額な修理代がかかる可能性が高く、購入時には注意が必要です。
特に中古車市場で安価に出品されているセレナC26の中には、オルタネーターからの異音がするものも多いようで、購入前の確認は不可欠です。
ただ、必ず異音が発生して壊れるわけではありませんので、その場合はどうしようもありません。
オルタネーターの修理費用は?
セレナC26のオルタネーターはエンジンルーム内に設置されていて、エンジンの回転で発電しています。
交換は簡単な作業ですが、問題は部品代で、通常の車でもかなり高価で、リビルド品という中古再生パーツを使うことも多いのです。
Sハイブリッドの場合はモーターアシスト機能もあり、部品代だけで税込み165,000円という情報もあり、工賃を加えると、合計で18~19万円の修理費用が発生します。
オルタネーターのリコール履歴と返金について
セレナC26型のリコール履歴については下記の記事でまとめていますのでご確認ください。
>> セレナC26のリコール一覧!オルタネーター リコールはいつでどのような不具合?
その中にオルタネーターに関するリコールが3回あり、最新では2023年9月にリコールが出されているのです。
セレナC26のオルタネーターに関するリコールは、主に以下の三つの不具合によるものです。
2013年4月19日のリコール
形式: | BA-FC26、DBA-FNC26、DBA-C26、DBA-NC26(アイドリングストップ付き車) |
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製造時期: | 平成22年11月16日~平成24年2月11日 |
対象台数: | 84,039台 |
不具合内容: | プーリーの締付不適切により脱落し、発電不能になる可能性。最悪の場合、エンジン停止。 |
改善措置: | 対象車両のプーリーを対策品と交換。 |
2023年1月27日のECOモータのリコール
対象: | アイドリングストップ付き車 |
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不具合内容: | ECOモータ内部ベアリングのシール仕様不適切によるシール性能不足、ベアリング破損及び異音発生の可能性。最悪の場合、火災発生。 |
改善措置: | ECOモータの交換。 |
2023年9月29日のリコール:
形式: | DBA-C26、DBA-NC26、BA-FC26、DBA-FNC26、BA-FPC26、BA-FNPC26(アイドリングストップ無し車) |
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製造時期: | 平成22年11月24日~平成28年6月17日 |
対象台数: | 45,402台 |
不具合内容: | オルタネータのプーリー内部機構のグリス熱劣化によるワンウェイクラッチ摩耗・破損、発電不良やエンジン停止、最悪火災の可能性。 |
改善措置: | 発電機の交換。 |
オルタネーターはエンジンの回転エネルギーを使って電力を発生させ、車内の電力を供給する重要な部品です。
アイドリングストップ車の場合、発電機とモーターの機能を持つECOモーターとして機能し、アイドリングストップ後の再起動やモーターアシストにも関与します。
リコール対応はメーカー特別保証により新車登録日から5年間、走行距離10万km以内の車両が対象となります。
リコール前に交換した場合の返金については、修理履歴の有無が重要となります。
加速不良・もたつき・吹けない
セレナC26型に関する不満で目立つのが、加速不良と言ってもいい加速の鈍さやもたつきに加え、アクセルを踏んでも吹けないという問題です。
これはMR20DD型エンジンとECUという運転制御を行うマイコンのプログラムの問題で、同じエンジンを搭載するC27ではECUの設定でさらに加速不良がひどくなっています。
同じエンジンを積むC28ではかなり改善されたと言いますから、ECUの設定が一番の問題だったのかもしれません。
C26の場合、特に発進から低速域での加速不良が目立ち、C27ほどではないにしろ、快適とは程遠いようです。
アクセルを踏み込んでも加速がもたつき、ちっとも進まないという悲痛な声が相当数上がっているのです。
また、吹け上りのいいエンジンはドライブフィールも気持ちいいものですが、アクセルを踏んでもちっとも吹けないという悲しい情報も見受けられます。
こうした症状が本当なら、セレナC26を買うとこの加速不良などとずっと付き合うことになるので、検討する上での重要なポイントかもしれませんね。
走行安定性と乗り心地の悪さ
セレナC26を運転するときに、一部のユーザーから走行安定性というか、安定感が不足しているとの指摘があります。
特に高速道路のカーブなどではロールが大きく、ドライバーだけでなく同乗者にも不安を与えることがあるようです。
ふわふわ感が強いことも、運転を楽しむという点ではマイナスです。
また、後席での振動や騒音も大きいようで、このあたりも課題とされています。
このクラスのミニバン全般に言えることですが、3列目のシートが車体のかなり後方に設置され、サスペンションも安価なトーションビーム式を採用しています。
このため、路面の凹凸が伝わりやすいうえ減衰できず、柔らかめのセッティングと相まって、乗り心地については悪いのは致し方ないことなのです。
こうした走行安定性、乗り心地を改善するためにはサスペンションの交換は有効で、ショックアブソーバーを減衰力の高いものに変えてやることはきわめて効果的です。
乗り心地は少し硬くなるものの、ロールも減り、後部座席を中心とした振動や騒音もおさまりますし、適度にしなやかなものを選べば、不快には感じないはずです。
燃費の悪さ
セレナC26型のSハイブリッドは、後継のC27型に比べて燃費が若干劣ります。
C26型のJC08モード燃費は15.4km/L~16.0km/Lで、C27型は16.6km/L~17.2km/Lですから、比べればやや劣ります。
実燃費では、C26はC27よりリッター1キロ程度悪いものの、同時期のノア(ガソリン)と比べると大きな差はありません。
この辺りの事情は「セレナSハイブリッド(特にC26)の燃費が悪い?実燃費良くする方法は?」に記載していますが、ノアハイブリッドとの比較ではかなり劣るのは確かです。
Sハイブリッドという名前があるのでノアハイブリッドと比較されるのですが、Sハイブリッドはアイドリングストップに気持ち程度のモーターアシストを付けた程度のものです。
価格だって全く違うので、さすがにノアハイブリッドと比較して燃費が悪いと言われたら気の毒でしょう。
実燃費は約11km/Lですので、ミニバンとしたらそんなものですが、自動車全体で見れば確かにいい方ではありません。
実際の走行に伴う燃費はユーザーによって異なり、13km/L以上の良好な燃費を実現している方もいれば、10km/Lを切る燃費の悪さを訴える声もあるのです。
シート設計の悪さ
セレナC26型のユーザーから寄せられる不満点の一つは、シートの設計に関する問題で、サードシートとセカンドシートに問題があるようです。
サードシートの問題
セレナC26型のシートの設計に関して、不満が多いのはサードシートの薄さや背もたれの低さです。
こうした設計のせいで、長時間のドライブではサポートが不足するため、快適性に著しく欠けるとの声があるのです。
セカンドシートの問題
セレナC26型のシートの設計に関するもう一つの問題としてセカンドシートを倒しても完全に平らにならないという点もあげられています。
これが問題なのは、車中泊などのためにフルフラットにしたくても、背もたれと座面との段差などで凸凹が発生し、快適に寝ることができないからです。
シート設計に問題が発生する原因は?
こうしたシートの不満の原因は、セレナC26の限られた車内スペースの中で、車内の広さの確保とシートアレンジの自由度とのトレードオフが生じているのではないでしょうか。
限られた車内サイズの中で3列シートにしようとしたら、サードシートは薄くせざるを得ませんし、後方視界の確保のためには背もたれもあまり高くできないのでしょう。
セカンドシートでユーザーが求めるシートのホールド性能を確保するためには、ある程度はフラットという点を犠牲にせざるを得ないのだと思われます。
その他の故障(CVTやラジエター)
セレナC26においては、4~6年目くらいの車齢でのミッション(CVT)やラジエーター、ラジエターファンのトラブルといった故障事例が報告されています。
日産車の場合、特にCVTには弱点を抱えているうえ、修理費は買い替えを考えるほど高価ですので、とりわけ重要です。
ラジエターのリビルド品への交換やラジエターファンモーターの交換は5万円~10万円と高価ではありませんが、気付かないとエンジンの焼き付きにもつながる故障です。
これらのトラブルは高年式車でも発生している例があり、注意が必要と思われます。
セレナ C26の欠点を踏まえた中古車購入の際の重要ポイントは?
セレナC26は広い車内空間やシートアレンジの自由度など、多くの長所がありますが、前述のようにいくつかの欠点も存在することを忘れてはいけません。
特にオルタネーター(ジェネレーター)の故障が多く、修理費用も高価です。
また、加速や走行安定性、乗り心地などは買った後で改善することは難しく、かなりのコストがかかってしまいます。
燃費も運転で多少の改善は可能ですが、それにも限度があるのです。
このため、セレナC26中古車で購入する際にはいくつかの点を事前にチェックすることが大事です。
ここでは、その重要ポイントをお示ししておきましょう。
- オルタネーターの状態の確認
- アイドリングストップやSハイブリッドの有無の確認
- 加速・もたつき・吹け上りの確認
- 走行安定性と乗り心地の確認
- 燃費の実態確認
- シートの確認
- CVTやラジエーターなど故障の可能性がある部分の確認
- 総括:セレナ(C26)の欠点と中古車購入前に注意すべきポイントの概要
オルタネーターの状態の確認
セレナC26はオルタネーターの故障が多いため、購入前にエンジンルームから異音がしないか、特に「ガラガラ」などの特徴的な音がないか確認しましょう。
異音があれば、たとえ発電できていてもも、いずれ発電不良になり、修理(=交換)が必要になる可能性が高いです。
アイドリングストップやSハイブリッドの有無の確認
オルタネーターの故障が発生しやすいのは、アイドリングストップやSハイブリッドの機能が搭載されているグレードのようです。
こうしたモデルはオルタネーターにモーターアシストなどの付加機能があって、修理費そのものもそのぶん高価です。
これらの機能がないモデルは、燃費は悪いとしても、オルタネーターの故障リスクが低く、修理代も安いというメリットがあるのです。
加速・もたつき・吹け上りの確認
セレナC26の場合、加速不良、もたつき、アクセルを踏んでもエンジンが吹けないという問題が報告されています。
これは、車両重量に対して2Lという排気量の小さめのエンジンで燃費にも配慮しながら出力を調整した結果なので仕方がない面もあるのです。
ECUの書き換えという手もあり、加速性は向上しますが、必ず燃費は悪化します。
要は、こうした加速不良とも言われる加速の悪さ、もたつき感、エンジンが吹けないという問題を許容できるかどうかです。
これについては、試乗を通じて、自身が求める、あるいは許容できる加速性能かどうか確認しましょう。
走行安定性と乗り心地の確認
セレナC26については、高速道路のカーブでのロール感や後席、特に2列目の振動、騒音に問題があるとされています。
これは、ミニバンの構造的な問題とサスペンションにコストを割けないという事情があるのである程度やむを得ないところがあります。
こうした問題については、試乗を通じて、安定性や乗り心地を確認し、自身の好みに合っているか、許容できるかを確かめることが重要です。
その際は、ご家族に後部座席に座ってもらい、乗り心地が満足できるものかを確認してもらうといいでしょう。
燃費の実態の確認
カタログ燃費と実際の走行における燃費、いわゆる実燃費は異なるものですし、大きく乖離する場合もあります。
また、アイドリングストップやSハイブリッドの有無、運転スタイルによっても燃費は変動するものです。
最近ではe燃費などの実燃費を調査したサイトもありますので、購入前に実際の燃費を確認しましょう。
シートの確認
セレナC26のシートに関しては、サードシートの薄さやセカンドシートが完全にフルフラットにならない点が問題とされています。
長時間のドライブが、特にサードシートで快適かどうか、フルフラットなどのシートアレンジが意に沿うものかは大事なチェックポイントです。
試乗では、ユーザーから訴えられているシートの設計による不満点を確認し、自身の好みに合っているか確認しましょう。
CVTやラジエーターなど故障の可能性がある部分の確認
セレナC26では、高年式車でもCVTやラジエーター、ラジエターファンなどのトラブルが発生する可能性があります。
購入前にエンジンルームからの異音や走行時の挙動に不審な点がないか、故障の可能性がある部分については特に入念に確認することが必要です。
特にCVTは故障すると極めて高価です。
シフト操作や走行時の異音、シフト切り替え時や走行時のおかしな挙動や違和感がないか、しっかりと確認しましょう。
総括:セレナ(C26)の欠点と中古車購入前に注意すべきポイントの概要
この記事をめとめると下記のようになります。
- オルタネーターの故障が多く修理費も高価(特にSハイブリッド)
- 加速不良・もたつき・エンジンが吹けないという問題がある
- 運転時の安定性と乗り心地の悪さが気になる
- 燃費はカタログ燃費と実燃費の乖離が大きい場合も
- シートは3列目の乗り心地、2列目を倒したときの平坦性に難
- その他、ミッションやラジエーターなどのトラブルも発生
- オルタネーターは音で状態を確認できる場合も
- オルタネーターが高価なSハイブリッドかどうかのチェックも重要
- 加速、アクセルレスポンス、運転の安定感、乗り心地は試乗でチェック
- 実燃費はe燃費などの実燃費集計サイトで確認
- シートの問題も試乗で納得して購入
- CVTやラジエーターファンなどは異音や走行時の挙動で確認
今後、車の乗り換えなど愛車を手放すことを検討されているのであれば↓の内容にも目を通して見てください。
既にご存知かもしれませんが、知らなかったのであれば愛車を相場より大幅に高く売却出来るかもしれません。
↓↓
セレナを限界値引から更に55万円安くなる方法!
新型セレナ(C28)が誕生してから1年以上が経過しました。
ただ、値引き額については思ったほど緩まっていません。
特にe-POWER車については値引き幅は抑えられています。
ただ、このような時にも限界と言われる値引きから更に安くセレナを購入する方法があります。
それも簡単な方法なのですが、知らない方が多いのです。
そんな方法を別記事で詳細にまとめていますので一度ご覧になってみて下さい。
ご覧いただいた通り、決して難しい内容ではありません。知っているか、知らないかだけの差です。
たったこれだけで、結果的に支払金額を抑えることができるのです。
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