セレナe-POWERの特徴の一つにワンペダルがあります。
これはe-POWERシステム搭載の日産車に標準装備になっています。
いや、なっていましたと言うのが正解でしょうか。
ここではセレナe-POWERのワンペダルはどんなものなのかをまずチェックします。
また、雪道・山道走行が得意で2WDで十分という噂もありますので、なぜ2WDで十分と言われるのかを口コミの内容でチェックしていきましょう。
そして、セレナe-POWERのワンペダル モード切替で通常のアクセルにもできるという情報を紹介しておきましょう。
さらに、そのワンペダルが廃止されつつありますので、そのあたりの理由も考えてみましょう。
目次
セレナe-POWERのワンペダルシステム
まず、セレナe-POWERのワンペダルシステムについて、その概要と、メリット・デメリットを整理してみましょう。
また、ユーザーの一部からはセレナe-POWERのワンペダルシステムの欠点、不満といった声も上がっているようなので、ここもチェックしておきましょう。
- セレナe-POWERのワンペダルシステムの概要
- セレナe-POWERのワンペダルシステムのメリット・デメリット
- ユーザーが訴えるセレナe-POWERのワンペダルシステムの欠点、不満
セレナe-POWERのワンペダルシステムの概要
セレナe-POWERのワンペダルシステムは、「e-POWER Drive」と名付けられたワンペダルドライブです。
アクセルペダル一つで加減速、制動をほぼ操作できる
セレナe-POWERのワンペダルシステムは、ざっくりいうと、アクセルペダル一つで加減速、制動がほぼ完結できるという仕組みです。
出典:http://n.nissan-osaka.co.jp/nim/mama/index.html
普通の車のようにアクセルペダルを踏むと通常に加速します。
そして、そのままアクセルペダルを戻すだけでブレーキがかかりスムーズに減速します。
アクセルペダルを戻すと回生ブレーキが作動し、減速するので、アクセルペダルの戻し方で減速度をコントロールすることになります。
昔のマニュアル車(MT車)のエンジンブレーキをイメージすれば良いでしょうか?
MT車の場合はアクセルを緩めることでエンジンにより減速しますが、e-POWERのワンペダルは回生ブレーキにより減速するということですね。
回生ブレーキ:車輪の回転エネルギーで発電機を回し、その抵抗によってブレーキをかけるシステム
この回生ブレーキですが、かなり強力です。
回生ブレーキによるこの制動力は最大でマイナス0.15Gあるので、クルマを停止することもできます。
また、そのままアクセルを戻しておけば停止状態を維持することもできるのです。
ブレーキも付いている
ただ、車は急ブレーキ時にはマイナス0.4G程度の制動力を発揮する場合もあるそうです。
0.4G をこす減速度を生じることはきわめてまれですが、自動車の急制動時の最大減速度は 0.8G 程度といいます。
ということは、急制動には回生ブレーキでは対応できない可能性があります。
もちろん、セレナe-POWERには普通のブレーキも付いていますから、強い制動力が必要であれば、アクセルから足を離してブレーキを踏み込めばいいのです。
ワンペダルでの減速時にはブレーキランプが点く
2011年1月30日施行の保安基準の改正で、電気式回生制動装置は動作時の減速度1.3m/s2を超える場合はブレーキランプの点灯義務が設けられました。
引用元:https://www.nissan.co.jp/OPTIONAL-PARTS/NAVIOM/NOTE_SPECIAL/E-POWER/1809/PG/guid-4307e9a2-784b-4268-b75d-cbf24568a025.html
このため、ワンペダルでアクセルペダルを離したときは、発生する減速度合いに応じてブレーキランプを点灯させて、停止直前から停車中に消灯するそうです。
というわけで、ブレーキランプの心配は不要です。
自分に合わなければ解除できる(ワンペダルの解除の仕方)
ワンペダルは概ね好評なのですが、長年普通のアクセルペダルに馴染んだ高齢者などには不評で、慣れないという意見もあるのです。
また、高齢者でなくてもあのフィーリングは受け入れられないという方もおられるのです。
そういう方もご安心ください。
e-POWERモードを切り替えてノーマルモードにすれば通常のアクセルに戻ります。
ノーマルモードでも回生ブレーキは効くのですが、効きは弱く、当然電気の回生量も少なくなるのは当然です。
このe-POWERモードの場所や操作方法はわかりにくいので、後段の「ユーザーが訴えるセレナe-POWERのワンペダルシステムの欠点、不満」をお読みください。
また、モードの詳細は、これも後段の「セレナe-POWERのワンペダル 通常のアクセルモードにもできる」をご覧ください。
セレナe-POWERのワンペダルシステムのメリット・デメリット
セレナe-POWERのワンペダルシステムのメリット・デメリットを整理します。
ワンペダルシステムのメリット
- 運転が楽になる
セレナe-POWERのワンペダルシステム、一番のメリットは「運転が楽になる」ことです。
というのも、アクセルとブレーキの踏み替えが普通で7割、最大9割減るのだそうです。
信号待ちなどの停車時もアクセルから足を離しておけば、ブレーキを踏んでおく必要がありません。
こうなると、特に信号等での停車の多い市街地における運転者の負担が軽減されるのです。
- 迅速な減速が可能
セレナe-POWERのアクセルを踏んでいた足を離すと、直ちに減速が作動します。
普通はアクセルを離してもそんなに大きくは減速しませんが、セレナe-POWERの場合は明確に制動がかかります。
この後ブレーキを踏むことになるので、明らかに迅速な制動が可能なのです。
ちなみに、先ほど説明したように、回生ブレーキでも状況を判断して、必要に応じてブレーキランプは点灯しますから、安全面でも全く問題ありません。
ワンペダルシステムのデメリット
- 通常アクセルとフィーリングが違いすぎる
セレナe-POWERのアクセルは普通の車のアクセルと大きく違います。
だから、慣れるまではかなり違和感を感じるみたいです。
複数の車を運転される方の中には不安を訴えられる場合もあるようです。
- アクセルから足を外すと急制動がかかる
セレナe-POWERのワンペダルは、走行中常時アクセルを踏んでおく必要があります。
少し気を緩めてアクセルを踏む力を弱くすると回生ブレーキが作動します。
アクセルから足を離してしまうと、急ブレーキほどではないにしろ、そこそこの急制動がかかってしまうのです。
ユーザーが訴えるセレナe-POWERのワンペダルシステムの欠点、不満
ユーザーが訴えるセレナe-POWERのワンペダルシステムの欠点、不満は以下のようなものです。
ブレーキの保持機能がない
セレナe-POWERのワンペダルシステムはアクセルペダルだけで停止まで持っていけますし、路面の状況次第で停止状態になりますが、ブレーキを保持してはいません。
現行リーフのe-Pedalではちゃんとブレーキ保持機能が全車装備されています。
セレナe-POWERの場合はオプションのセーフティパックBを装着しないとオートブレーキホールドが搭載されませんので、ブレーキ保持動作が必要になってくるのです。
せめて、リーフ並みにブレーキ保持機能くらいは付けてくれよと言いたくもなりますよね。
高速巡行時のアクセル操作が難しい
セレナe-POWERに限らず、高速巡行時にアクセルを戻して慣性走行するのはエコドライブテクニックです。
ただ、セレナe-POWERの場合はアクセルを戻すと割と強めに回生ブレーキが効いてくるので、電気の回生はできますが、慣性走行は難しいようなのです。
もちろんノーマルモードにすれば慣性走行は可能ですが、逆に回生システムが効きませんから、高速域のエコドライブが意外と難しいというのです。
ワンペダルに馴染めない
セレナe-POWERのワンペダルについては、要は慣れの問題で、慣れてさえしまえばむしろ運転しやすいといいます。
ただ、いつまで経ってもワンペダルのフィーリングに馴染めずに、結局ノーマルモードを使われている方が思いのほか多いようなのです。
e-POWERモードスイッチがわかりにくい
e-POWERモードの切り替えは割とよく使うのですが、e-POWERモードスイッチの場所もわかりにくいですし、操作も面倒です。
パワースイッチがONのとき、e-POWERモードスイッチを押すごとにS→ECO →NORMAL → Sの順に切り替わるのですがスイッチ1つなのでなかなかわかりにくいのです。
もちろん、Sモード、ECOモードの時にはインジケーターが点灯しますがそれでも使いにくいという不満の声はあるようなのです。
引用元:https://www.nissan.co.jp/OPTIONAL-PARTS/NAVIOM/SERENA_SPECIAL/E-POWER/2111/index.html#!page?guid-ba00eb05-7677-48ce-ad06-ef93f12c616a&q=e-power%20%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%83%E3%83%81&p=1
ノートやエクストレイルも操作は同じようなものですが、それぞれシフトのすぐ近くにあるので、場所は圧倒的にわかりやすいのです。
ノート | エクストレイル |
引用元:https://www.nissan.co.jp/OPTIONAL-PARTS/NAVIOM/index.html
Sモードの出だしがパワフルでない
ノートe-POWERにもSモードはあるのですが、ECOモードに比べると出だしはなかなかパワフルです。
一方セレナe-POWERの場合は、Sモードにしても出だしはECOモードと大差ないのです。
セレナe-POWERは主婦の方なども運転するので、そういう事情にも配慮しているようですが、がっかりという意見が多いのも事実なのです。
セレナe-POWERのワンペダルは雪道を2WDでも大丈夫?
セレナe-POWERのワンペダルが回生ブレーキによって、アクセルを緩めることで強い制動力が働くことはわかりました。
とはいえ、雪道や山道など滑る路面ではやはり4WDが必要なのではないでしょうか?
ただ、冬は雪道を走る機会が多い雪国にお住まいのセレナe-POWERユーザーの口コミでは2WDで十分という声がありますのでチェックしてみます。
次の2つの項目について見ていきます。
- セレナe-POWERのワンペダルシステム 雪道・山道が得意な理由
- セレナe-POWER 雪道・山道が得意で2WDで十分か口コミでチェック
セレナe-POWERのワンペダルシステム 雪道・山道が得意な理由
セレナe-POWERのワンペダルシステム 雪道・山道が得意な理由は数点あります。
回生ブレーキは精密に制御された強力なエンジンブレーキ
セレナe-POWERのワンペダルは、減速中は回生ブレーキが効いてきます。
この回生ブレーキはエンジンブレーキのようなものです。
だから、下り坂の連続のような場合でもブレーキシステムには負荷をかけないので安全なのです。
しかも、回生ブレーキはトルクを絞るレスポンスがエンジンよりもはるかに素早く、精密に制御されているのもハンドリングの向上に大きな効果があるのです。
ペダルを踏みかえる必要がない
セレナe-POWER以外の場合は、アクセルを離しても減速はするものの制動は効かず、制動はブレーキを踏んでからです。
セレナe-POWERのワンペダルの場合は、アクセルを戻すと制動がかかります。
特に雪道では急ブレーキは厳禁なので、ペダルを踏み変えずに速やかに減速できるのは有利なのです。
可減速のストロークがリニア
セレナe-POWERのワンペダルはアクセルペダルを踏み込めば加速し、戻すと減速すします。
この際、アクセルと逆のフィーリングで、ゆっくり戻せば弱い制動、速く戻すと強い制動といった特性を示します。
加減だけでなく減速のストロークもリニアで同じ特性なので、どれくらい踏めばスリップしないかというのがつかみやすいのです。
モーターの制御が繊細
セレナe-POWERはモーター駆動です。
だから、これはワンペダルの恩恵ではないのですが、エンジンと違ってモーターは駆動トルクのコントロールが繊細に行えます。
このため、凍結路面からの発進でも、普通のアクセルの踏み方でホイールスピンをせず、スムーズに加速してくれるのです。
セレナe-POWER 雪道・山道が得意で2WDで十分か口コミでチェック
セレナe-POWER 雪道・山道が得意で2WDで十分かどうか、口コミでチェックしてみましょう。
雪道・山道が得意で2WDで十分という口コミ
- ワンペダルの場合、回生ブレーキとトラクションコントロールの相性がばっちりで滑りやすい路面でも安心
- 強力な回生ブレーキで坂道でも安心でき、その回生ブレーキの効き方も制御してくれている
- 2WDでは発進が難しい凍結時でもスムーズに発進できた
- 回生ブレーキは安心感があるし、素早く減速できるので、ドライブフィ―ルは素晴らしい
- 急にアクセルを緩めても違和感なく回生ブレーキが働いてスムーズに減速していく
- 豪雪地帯でなければe-POWERは冬場でも2WDで十分
雪道・山道が得意だが2WDは不十分という口コミ
- 坂道発進やシャーベット状の悪路はe-POWERの2WDでも厳しいし、雪や氷で凸凹の道や深い轍での車線変更なんかは4WDがあったほうがいい
- ミラーバーンや新雪のシリアスコンディションでは4WDが必要
- トラクションコントロールが効いているにせよ、アクセルオフするといきなり強力なエンジンブレーキがかかるというのは心配
雪道・山道は苦手という口コミ
セレナe-POWERが普通の2WD車に比べて雪道・山道が苦手という口コミは全く見当たりませんでした。
セレナe-POWERのワンペダル 通常のアクセルモードにもできる
セレナe-POWERのワンペダルには3つのモードがあるのを紹介しておきます。
この中のNORMALにすれば通常のアクセルモードにもできるのです。
急発進が禁物な雪道ではECOモードがおすすめですね。
モード | 特徴 | |
---|---|---|
e-POWER Drive | S | 運転を楽しめるモード。
|
ECO | 燃費重視のモード。
|
|
NORMAL | ガソリンエンジン車とほぼ同等の走りを楽しめるモード。
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日産がワンペダルを廃止した理由
これまでe-POWERのワンペダルの話をしてきましたが、新型ノートや新型エクストレイルでは「e-Pedal Step」という呼び名に変わってしまいました。
これまでは完全停止までワンペダルでできていたのが、e-Pedal Stepでは停止時にはブレーキペダルを使わなければならなくなったのです。
停止までワンペダルでできなくなったのでそう呼べなくなったのでしょうが、日産は理由は明確に言ってはいません。
推察するに、やはり必ずブレーキを踏まないと完全停止しないようにしておかないと、停止するつもりで止まらなかった、止まっていなかったという危険があるからでしょう。
また、停止寸前でブレーキランプが消えるのも仕様とはいえ良くなかったのかもしれません。
もともと停止時には必ずブレーキを踏む約束なので厳密にはワンペダルではなかったわけですから、これはこれでよかったのかもしれませんね。
まとめ
セレナe-POWERのワンペダル、2WDで十分かどうかはともかく、雪道、山道は得意のようですね。
これもワンペダルの特性とモーター、回生ブレーキ精密な制御のおかげですね。
これでリーフのe-Pedalのように減速時に油圧ブレーキを併用したり、停止後は自動的に油圧ブレーキを作動させ停止状態を保持するようになると無敵かもしれません。
一部に通常の車のアクセルとフィーリングが違いすぎるという意見もありましたが、慣れるようですし、NORMALモードもあります。
これこそ、ディーラーに行って、ぜひ体感してみてください。
なお、ワンペダルは「e-Pedal Step」に変わりましたが、便利さはほとんど失われていないと思いますよ。
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ただ、値引き額については思ったほど緩まっていません。
特にe-POWER車については値引き幅は抑えられています。
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