セレナe-POWERは大人気ですが、今のところ4WDは発売されていません。
セレナのSハイブリッドには4WDが設定されているのにです。
セレナユーザーの中ではe-POWERへの4WD投入を期待する声も大きいようです。
新型セレナ モデルチェンジしたばかりですが、ここでは、e-POWERの4WDの動向はどうなのかをまず確認します。
そのうえで、セレナe-POWERに4WDが発売されていない理由をチェックします。
また、次回のマイナーチェンジでe-POWERの4WDが投入される可能性にも迫ってみましょう。
目次
新型セレナ モデルチェンジ! e-POWERの4WDの動向は?
セレナのモデルチェンジは2022年11月28日に発表されました。
ここでは、モデルチェンジにおける新型セレナe-POWERの4WDの動向を整理しておきましょう。
- 期待のe-POWERの4WDはモデルチェンジ時点では投入されず!
- Sハイブリッドには4WDを継続設定
期待のe-POWERの4WDはモデルチェンジ時点では投入されず!
ガソリン車の2WDは12月22日から、e-POWER車、ガソリン車の4WD車は2023年春より順次発売ということになっています。
今回のモデルチェンジではノートに登載されたような強力なリアモーターを装備した4WDの投入が噂されていました。
また、2022年7月にフルモデルチェンジしたエクストレイルのように4WDも含めてe-POWERだけになる可能性も囁かれていました。
しかしながら、現時点における情報では発売時にe-POWERの4WDがラインアップに加わることはなさそうなのです。
Sハイブリッドには4WDを継続設定
だからといってセレナで4WDが買えないわけではありません。
セレナにはかなりの4WDニーズがありますから、それには日産も対応しています。
先代セレナ(C27)でもそうだったようにSハイブリッド車にはちゃんと4WDが設定されています。
Sハイブリッドの4WDは高価にはならないのですが、燃費は他社のガソリン車と変わりませんので、そこは残念ですね。
セレナe-POWERに4WDが発売されていない理由
ここでは、セレナe-POWERのライバル車等が4WDモデルを持っているかどうかを確認し、そのメカニズムをチェックします。
そのうえで、セレナe-POWERになぜ4WDが発売されていないかに迫ってみたいと思います。
- ライバル車等の4WD投入動向
- セレナの「S-HYBRID」や他社ハイブリッドの4WD
- セレナe-POWERになぜ4WDが発売されていないか
ライバル車等の4WD投入動向
セレナe-POWERには4WDは設定されていません。
しかし、同じセレナの「S-HYBRID」には4WDが設定されています。
セレナe-POWERの直接のライバルであるノア&ヴォクシーやステップワゴンのハイブリッドには4WDは設定されていませんでした。
しかし、2022年1月のフルモデルチェンジでノア&ヴォクシーはついにハイブリッドの4WDを投入してきたのです。
ステップワゴンには4WDはありませんが、同じハイブリッドシステムのヴェゼルには4WDがありますから、4WDを投入できないわけではなさそうです。
セレナの「S-HYBRID」や他社ハイブリッドの4WDの仕組み
セレナの「S-HYBRID」や他社ハイブリッドの4WDをチェックしておきまさよう。
- セレナの「S-HYBRID」の4WD
引用元:「セレナ4WDシステム概要図」
これがセレナの「S-HYBRID」の4WDです。
FFをベースとしながら、路面状況や車速に合わせて、後輪へ最適なトルク配分を行う「オートトルクコントロール(ATC)カップリング」です。
このシステム、従来の技術のテイクオーバーですし、プロペラシャフトを使ったもの。
セレナe-POWERでの使用は考えられませんね。
- トヨタハイブリッドの4WD「E-Four」
トヨタではコンパクトカーのヤリスからアルファードまでハイブリッドシステムを持っていますが、ここは同じミニバンのノア&ヴォクシーのシステムを紹介しましょう。
引用元:https://toyota.jp/noah/feature/?padid=from_noah_top_navi-menu_feature
電気式4WDシステムである「E-Four」は、ざっくり言うとベースのハイブリッドシステムにモーターによる後輪駆動システムを付け加えたものです。
同じミニバンのアルファードのハイブリッドはすべて4WDで、設計思想が全く違いますが、ノア&ヴォクシーのシステムはプリウス等と同様のものです。
いつもはFFで、雪道や発進時など滑りやすい状況で後輪に駆動力が加わるタイプです。
ただ、「新型E-Four」というだけあってリアモーターが最高出力が41PS、最大トルクが8.6kgmと大幅に高出力化されています。
4WDの作動領域も拡大したそうで、ガソリン車のシステムには及びませんが、これなら、4WDとしてもそこそこの性能を発揮しそうです。
- ホンダハイブリッドの4WD「リアルタイム4WD」
ホンダにはシャトルなどの「SPORT HYBRID i-DCD」の4WDもありますが、ライバルのステップワゴンのシステムである「e:HEV」を使ったヴェゼルの4WDを紹介します。
画像はCR-Vのものですが基本的に同じです。
ヴェゼルの4WDは「リアルタイム4WD」といって、電子制御される多板クラッチによって駆動力を前後輪に配分します。
引用元:https://autoc-one.jp/honda/cr-v/newmodel-5012565/
横滑り防止装置などに使われるセンサーの情報により制御されますし、電子制御によって4輪のブレーキが独立制動されますから、走行安定性も高いのです。
ヴェゼルの場合、ハイブリッドの出力をプロペラシャフトを介して後輪に送る「機械式」4WDなので後輪モーターというものはありません。
このあたりはシャトルでも同じで、4WDシステムとしては優秀と言えます。
https://clicccar.com/2018/09/02/624670/
- ノートe-POWERの4WD「NOTE e-POWER FOUR」
日産でもセレナと同じe-POWERを搭載しているノートには「NOTE e-POWER FOUR」があります。
e-POWERの4WDの仕組み
通常のe-POWERに新たに後輪駆動用のモーターを搭載し、前輪のスリップ量に応じて最適なトルク配分をし、瞬時に4WD走行へ切り替えるというものです。
通常のe-POWERに新たに後輪駆動用のモーターを搭載し、前輪のスリップ量に応じて最適なトルク配分をし、瞬時に4WD走行へ切り替えるというものです。
常時4WDではありませんが、モーター出力もそこそこ(先代ノートe-POWERに比べれば圧倒的)確保しており、走行安定性の改善効果は大きいようです。
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引用元:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/note/performance_safety/e-power_4wd.html
モーターの特性を活かしての前後出力・トルクを瞬時に調節して安定走行が実現できますし、減速時にはリヤモーターも回生制御に使えます。
このため、減速時もエネルギー回収効率を高めつつ、より安定的な車両姿勢のコントローができるのです。
4WD車用のリヤモーターのスペックは次のようになっています。
最高出力 | 50kW(68PS)/4775-10024rpm |
---|---|
最大トルク | 100N・m(10.2kgf・m)/0-4775rpm |
ノート e-POWERの4WDの燃費
ノート e-POWERには「S FOUR」と「X FOUR」があるのですが、WLTCモード燃費はいずれも23.8km/Lです。
2WDの燃費が28.4km/Lですからいささか4WD化による落ち込みが大きいような気がします。
ノア&ヴォクシーの場合は2WDは23~23.4km/Lですが、4WDは22km/Lとそれほど落ちていないのです。
- エクストレイルe-POWERの4WD「e-4ORCE 」
日産ではエクストレイルにも4WDが搭載さていますが、これはノートの「NOTE e-POWER FOUR」からさらに進化しています。
e-4ORCEの仕組み
e-4ORCEは、前後2つのモーターとブレーキの統合制御することにより、駆動力を自在にコントロールする4輪制御システムだそうです。
前後2つのモーターというところはNOTE e-POWER FOURと同じです。
引用元:https://www.nissan-global.com/JP/INNOVATION/TECHNOLOGY/ARCHIVE/E_4ORCE/
NOTE e-POWER FOURの場合は、油圧ブレーキと回生ブレーキはそれぞれ独立してECU制御を行っています。
雪道など滑りやすい路面ではアクセルから足を離すと回生ブレーキが作動し、タイヤのグリップをセンサーが感知して、必要に応じてVDC(横滑り防止)が機能する仕組みです。
e-4ORCEの場合は油圧ブレーキと回生ブレーキを1つのECUで統合して制御しています。
コーナーなどでは操作に対応した旋回、加減速をするための駆動力を計算し、前後のモーターと左右のブレーキで4輪の駆動力をコントロールするということさえできます。
引用元:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/x-trail/performance_safety/e-4orce.html
また、滑りやすい路面では前後輪のスリップを検知して、滑っていない方のタイヤに駆動力を配分し、加速性を維持しながら安定した走行を実現することも可能にしています。
前輪がスリップして想定ラインよりも膨めば、後輪側へ駆動力を配分し、後輪がスリップした場合は、前輪側へ駆動力を配分し、安定してコーナーを抜けさせます。
さらに、タイヤが滑る前にトルクを落とすことでタイヤのスリップを抑え、それでも収まらない場合はさらにトルクを落として急激な挙動変化を抑えます。
引用元:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/x-trail/performance_safety/e-4orce.html
エクストレイルの場合のモーターのスペックは、以下のように非常に強力です。
区分 | フロントモーター | リアモーター |
---|---|---|
最高出力 | 150kW(204PS)
/4501-7422rpm |
100kW(136PS)
/4897-9504rpm |
最大トルク | 330N・m(33.7kgf・m)
/0-3505rpm |
195N・m(19.9kgf・m)
/0-4897rpm |
モデルチェンジ前のエクストレイルは2Lと2.5Lの2本立てでしたが、その2.5Lよりもはるかに強力ですし、モデル後期は2Lだけでしたので、圧倒的なパワーアップです。
後輪モーターのパワーもノートe-POWERのざっと2倍ですから凄まじいものです。
エクストレイル e-POWERの4WDの燃費
エクストレイルはすべてe-POWERで、4WDの燃費はWLTCモード燃費で18.3~18.4km/Lです。
2WDの燃費が19.7km/lですから4WD化による落ち込みはノートに比べると遥かに小さいです。
ノア&ヴォクシーの場合は2WDから4WDへの落ち込みは1~1.5km/Lですから、遜色はありませんね。
セレナe-POWERになぜ4WDが発売されていないか
ノートには「e-POWER 4WD」があるのに、なぜセレナe-POWERには4WDがないのでしょうか。
先代セレナ(C27)当時のe-POWERの4WDは貧弱だった
先代セレナ(C27)当時もノートe-POWERに4WDは投入されていました。
これは2018年7月のことでしたから、2018年2月のセレナへのe-POWERの投入には間に合わなかったにしても、2019年8月のマイナーチェンジには十分間に合ったのです。
ただ、この時のノートの「e-POWER 4WD」では、リアモーターの最高出力は3.5kw(4.8PS)、最大トルクは15N.m(1.5kgf.m)しかありませんでした。
ノートでも心もとない性能で、とても1.5トンを超えるミニバンには使えなかったのでしょう。
新型セレナ(C28)発売時にはe-POWERの4WDの性能は大きく改善していた
そのe-POWERの4WDの性能ですが、新型セレナ(C28)発売時には大きく改善していたのです。
ノートは2020年11月にフルモデルチェンジしましたが、「e-POWER 4WD」もモデルチェンジで大きな改良を施しているのです。
その最たるものが、リアモーターの大幅な大きなパワーアップです。
項 目 | モデルチェンジ前 | モデルチェンジ後 |
---|---|---|
最高出力 | 3.5kw(4.8PS)
/4000rpm |
50kW(68PS)
/4775-10024rpm |
最大トルク | 15N.m(1.5kgf.m)
/1200rpm |
100N・m(10.2kgf・m)
/0-4775rpm |
モデルチェンジ前のスペックでは、前述のとおりセレナではちょっと厳しい感じがします。
セレナの場合、ノートのe-POWERシステムを採用する場合が多いのですが性能的にはこれで十分のような気もします。
また、ハイスペックなシステムならエクストレイルに凄い4WDもあるのです。
新型セレナ(C28)発売時になぜe-POWERの4WDが投入されなかったの?
新型セレナ(C28)へのモデルチェンジではe-POWER専売、e-POWER車への1.5LVCターボエンジンの投入などいろんな噂が流れていましたが、すべて実現しませんでした。
e-POWER専売についてはスモールサイズのミニバンが無い日産の事情もあって営業サイドから反対されたようです。
また、1.5LVCターボエンジンの投入はエクストレイルの例からも簡単だったはずですが、価格競争をしているセレナではコスト面で厳しかったのかもしれません。
セレナe-POWERはシリーズハイブリッドですから本来低コストなはずですが、ノアのハイブリッドXよりe-POWER Xは148,800円も高価です。
さらにノアの場合ハイブリッドの4WDモデルが220,000円高なのに対してノートe-POWERの4WD例では258,500円ですからさらに価格差は広がります。
ガソリン車のXの4WDでさえ3,034,900円とノアのXより166,900円高い中で、e-POWERとはいえ安くても350万円はするe-POWERの4WDは厳しいと見たのかもしれません。
また、ノートe-POWERのリアモーターはラゲッジボードを開けると結構な大きさであることがわかります。
あんなものをセレナに積んだらラゲッジアンダーボックスは確実に無くなりそうですし、ラゲージスペースにも影響が出るかもしれません。
そのあたりも関係している可能性はあります。
ただ、日産はe-POWER車の4WDを投入しなかった理由について一切コメントしていませんから、これはあくまでも推測であることはご承知おきください。
セレナe-POWER次期マイナーチェンジでの4WD投入の可能性
セレナe-POWERの次期マイナーチェンジは先代(C27)の例をみると発売から3年後、おそらく2025年末か2026年早々になるものと思われます。
ここでは、セレナe-POWERの次期マイナーチェンジでの4WD投入の可能性を探っていきます。
- セレナe-POWERに4WDを投入できない技術的理由は皆無
- e-POWERへの4WD投入はライバル車の動向次第
セレナe-POWERに4WDを投入できない技術的理由は皆無
セレナe-POWERに4WDを投入できない技術的理由は無いはずです。
駆動用バッテリーの場所がC26と同じ1列目シート下であるなら、仮にノートと同じシステムを仮定すれば、後輪用のモーターを装着するだけで足りるからです。
無いとは思いますがエクストレイルのe-4ORCEを採用するならシステムがかなり違いますから、もう少しハードルは高いにしても不可能ではないはずです。
e-POWERへの4WD投入はライバル車の動向次第
e-POWERへの4WD投入はライバル車の動向次第だと思われます。
まず、ハイブリッド車に4WDを投入したノア&ヴォクシーがそのせいで販売を大きく伸ばすなら、セレナもe-POWERへの4WD投入を考える必要があるでしょう。
また、現在はハイブリッド車に4WDを持っていないステップワゴンの動向も重要です。
e:HEV搭載車でもヴェゼルには4WDがありますが、ステップワゴンの場合はドライブシャフトが通りそうなところにIPU(高圧デバイスとバッテリーを一体化)があります。
また、3列目の座席のせいで後輪部分がかなり窮屈なので厳しいのは確かです。
ただ、ステップワゴンはライバル車の動向を見て、マイナーチェンジでボンネットの高さを変えてまでe:HEVを導入したという経歴があります。
ステップワゴンのハイブリッド車に4WDが投入されたとしたら、それよりも技術的ハードルの低いセレナは看過できないのではないでしょうか。
まとめ
セレナe-POWERに4WDが投入されるなら、そのベースとなるのは第2世代 e-POWERだと思われます。
そして、その中で高性能の4WDが開発済みとなると期待は高まりますが、今回のモデルチェンジで実現しなかったところをみると、そう簡単ではないかもしれません。
もうしばらくすると、次期マイナーチェンジに向けての動きも出てきますし、一部改良での投入もあり得ますので、しっかりと情報をチェックしていきたいところです。
今後、車の乗り換えなど愛車を手放すことを検討されているのであれば↓の内容にも目を通して見てください。
既にご存知かもしれませんが、知らなかったのであれば愛車を相場より大幅に高く売却出来るかもしれません。
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セレナを限界値引から更に55万円安くなる方法!
新型セレナ(C28)が誕生してから1年以上が経過しました。
ただ、値引き額については思ったほど緩まっていません。
特にe-POWER車については値引き幅は抑えられています。
ただ、このような時にも限界と言われる値引きから更に安くセレナを購入する方法があります。
それも簡単な方法なのですが、知らない方が多いのです。
そんな方法を別記事で詳細にまとめていますので一度ご覧になってみて下さい。
ご覧いただいた通り、決して難しい内容ではありません。知っているか、知らないかだけの差です。
たったこれだけで、結果的に支払金額を抑えることができるのです。
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